2022年度

『 万葉集に親しむ』~仁徳天皇と磐媛~ 2022年9月16日

10月に開催される「高岡万葉まつりの応募動画」を紹介しました。撮影と編集の鉄具さんや歌唱された会員の皆様、ありがとうございました。
カレンダーの歌は、はぎ(マメ科)です。萩は、万葉集では沢山歌われています。又、万葉集の全20巻の構成を各巻毎に特徴と内容を解説していただきました。
今月は11月の万葉ウォークに行く磐媛の歌を学びました。巻2の最初の歌で万葉集の中で一番古い歌です。
仁徳天皇は第16代で、聖帝とみなされ宋書の倭の五王の一人で、民を慈しみ河内平野の開発に努めた伝承が残っていてます。しかし、女性関係は問題がありました。
そのお妃が磐の媛で3人の天皇の母で、激しい嫉妬の話が伝わっています。仁徳天皇陵傍にある磐の媛の五首は、情熱的な女心を歌っています。
「君が行き 長くなりぬ 山尋ね 迎へか行かむ 待ちにか待たむ(2-85)」 磐媛は、何日も仁徳天皇を待ち続けてたので、は複数なので(け)と読みます。一日の場合は(ひ)と読みます。【白文:君之行長成奴 山多都祢 迎加将行尓 待可将待】。(写真の一番右の歌碑で、犬養悦子さん揮毫です)
又、古事記の仁徳天皇の黒日売、八田若朗女への歌も、勉強しました。古事記では、仁徳は磐媛を追いかけて謝り丸く収まりますが、日本書紀では、磐媛は都には生涯、帰って来ませんでした。
 ↓仁徳天皇陵にある磐媛の万葉歌 5首の歌碑(揮毫 犬養孝 4基、犬養悦子 1基)

『 万葉集に親しむ』~遣新羅使人の旅③~ 2022年8月19日

最初は、安曇野の犬養先生の万葉歌碑の現状の紹介でした。
8月のカレンダーの花は「かじの葉」で略体歌(少ない時数の万葉仮名)で書かれています。これは人麻呂が関わっているとも言われています。昔は、かじの葉に手紙を書いていました。
山上憶良の秋の七草2首の紹介もありました(下記に秋の七草のYoutubeをリンクしています)。
遣新羅使の歌③ですが、今回は山口県(周防)麻里布の浦からのスタートです。都に残した妹を想い懐かしみ、麻里布の浦、可太の大島、伊波比島、大島の鳴門、熊毛の浦、可良の浦の風情と共に、望郷と不安を織り交ぜた秀歌です。
この後に周防灘(佐婆の海中:さばのわたなか)で、逆風漲浪に遭い大分県中津付近まで漂着してしまいます。時節は、もう秋(=七夕)で当初の予定では帰路の時であった。秋風や、雁の鳴き声から、妻と契った衣も汚れてきてしまったと、筑紫の国で歌っています。
   【麻里布の浦】*              【祝島】* *荒川晴男さん提供

 

 

 

 

 

 

 

 

山上憶良の【秋の七草】動画:2018年秋 交野が原万葉学級 万葉うたがたり会コンサートから秋の七草をリンクしました。歌は 園田知子さんと上 未歩さん。下記をクリックすると再生します

https://youtu.be/o2-6r2jK1BI?t=167

『 万葉集に親しむ』~石見相聞歌~ 2022年7月15日

今回は6月の「はちす(はす)」。蓮葉の水玉の歌2首と蓮葉にちなんだ比喩の歌を
学びました。
当時は蓮葉や、うも(芋)の葉を食事の時にお皿として使用していました。
7月の花は「うきまなご(うきくさ)」1首 紹介していただきました。




今月は、高岡万葉まつり応募に天の川慕情(巻8⁻1520)を合唱、巻8⁻1527を全員で朗唱を録画しました。皆様のカラオケ練習の成果もあり、見事に合唱・朗唱できました。ありがとうございました。
今月のテーマの石見相聞歌も学びました。持統天皇の宮廷歌人「柿本人麻呂」の歌で、犬養先生がこの万葉歌(巻2⁻131)を「人間的情感の豊潤な波動は、風土の意識的な取り入れでなくて、自然の融合となって、自己から対者への一貫した統一対となし、緩急自在な律動のうちに、壮麗な恋情の交響楽を作りあげている」と賛歌されています。
高見山の反歌2首(巻2⁻132、133)も「冷たい風の吹くさびしい石見の山道での、ひとりに我にかえってゆくのだ」と。

 石見の海  大崎鼻(韓の崎)             島根県 江津市 野頭  柿本神社 
                          揮毫 犬養 孝 第2巻 132番 柿本人麻呂










石見シンフォニー(2020年高岡万葉まつり応募分 万葉うたがたり会 歌 園田知子さん)が見れます。是非ご覧ください。https://youtu.be/CounuHzN7YE


『 万葉集に親しむ』~鳥と言えば、ホトトギス~ 2022年5月20日

今月のカレンダーの花は『かきつはた』です。この家持の歌は26歳の時に恭仁京から奈良に戻った時の6首の最後の歌で、カキツバタの染料で染めた衣装を着て狩りする姿を詠った端午の節句の短歌です。
犬養先生の『かきつはた』‐住吉大社の浅沢小野の紹介(巻7‐1361)もありました。
この6首中4首がホトトギスの歌です。ホトトギスは153首(内64首は家持)と万葉集で一番多い鳥です。
次は弟の大伴書持(ふみもち)が奈良から恭仁京の兄の家持に送ったホトトギス2首、それに答えて家持が3首【内1首は楝(あふち)=センダン)に戯れるホトトギス】で返歌しています。(巻17‐3909~3913)
ホトトギスは立夏の日に来鳴く事を必定(夏告鳥)とされていましたが、田口朝臣馬長や家持は、季節が来ているのにホトトギスが何故鳴かないのだと嘆いています(巻17‐3914、3983~84、巻19‐4194~96)
興味深かったのは、ホトトギスは、うぐいす等の巣に卵を産み、自分で巣を作ることも抱卵することもせず、他の種類の小鳥の巣に卵を預けて抱卵、育雛をまかせるという寄生的な繁殖習性を持つ鳥なので、この習性を歌った長歌を大伴家持が「霍公鳥よ、昔から語り継いできたように鴬=うぐひす(春告鳥)のほんとうの子どもであるのか」と詠い(巻19‐4166 越中)、高橋虫麻呂は長歌(巻9‐1755)で「ウグイスの巣の中で、育ての親と似ては鳴かずと』歌っています。
ホトトギスの鳴き声のyotubeです。ここをクリック下さい。【テッペンカケタカ】【 テッペンハゲタカ】【トッキョキョカキョク】どの鳴き声に聞こえますか? 先生からの宿題は『本物の鳴き声を聞いてね!!!』です。

『 万葉集に親しむ』~花咲く娘子たち~ 2022年4月15日

最初に明日香の話で、TVで飛鳥太鼓や、火野正平さんのサイクリング番組で明日香が放送された事や、明日香法施行40周年記念で犬養先生と明日香法についての先生の講演紹介がありました。
カレンダーの花は、けい(しらん)で越中で歌われました。家持の歌の半数223首が越中です。
巻17‐3965~3972は、序文と短歌、長歌から構成されて、越中に赴任した時に家持が大病を患い、苦しい時期を乗り越えてた後の春の季節の、友人である大伴池主との間の歌です。
けい(しらん)は、池主の歌の序文に『・・豈(あに)慮(はか)らめや 蘭蕙(らんけい) 藂(くさむら)を隔て 琴罇(きんそん)用ゐるところ無く 空しく令節(れいせつ)を過して・・蘭と蕙が草むらで隔てられていたように、病気であなたと会えなかつた⁻⁻⁻』と歌われています。けいは、万葉集のこの序のみに載っています。
ー歌だけでなく序文も、素晴らしい名文です―。
17‐3969の家持の序には、『山柿の門に逕らず』と書かれており、柿=柿本人麻呂ですが、山は山上憶良OR山部赤人どちらなのかが、万葉学者の間で論争になっているとの事です。
又、桜🌸と共に、うぐひす(鶯)も3首、歌われており『春つれづれ』の先生の歌になっています(2首:17‐3966、3968と生野区横野にある万葉歌碑:10‐1825)。クリックすると、横野万葉歌碑ページにリンクします。
後半のテーマは「花咲く娘子たち」で問答歌です。巻13‐3305~3308(作者未詳)ですが、元歌は柿本人麻呂が詠っています(巻13‐3309)。
下は上さんが2021年の高岡万葉祭りで歌われた動画です(先生の花咲く娘子たちの歌を、高岡万葉まつり用にアレンジされたversionです)。もう一つの問答歌は、泊瀬小国の万葉オペレッタの紹介がありました(巻13‐3311~3313)
*6月の万葉ウォークは、明日香・牽牛子塚古墳を巡ります。(近鉄ダイヤ改正があるので、決定版を5月例会で配布します)